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戸蔦別岳より、1967m峰(中央)とピパイロ岳(右) |
18日(日) 昨夜は強風でテントがばたつき、夜半から雨も降り出し激しさを増した。4時に起床したが、雨と風は相変わらず強い。
テント撤収の機会を伺いながら、簡単な朝食を済ませ、荷物を片付ける。6時頃少し小雨になってきたので、急いでテントを撤収し、幌尻山荘へ下りるという隣の2人組みと別れて下山開始する。
ヌカビラ岳へと続く稜線上はガスで全く視界が利かず、雨風で体温が奪われる。自分はこれから下って樹林帯に逃げ込めるから問題ないが、昨年のトムラウシ山遭難事故の場合には、風雨を避けるものが何もない稜線上に上がり続けて、低体温症で死亡事故につながった。悲惨の一言に尽きる。
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北戸蔦別岳より、1967m峰(左奥)とピパイロ岳 |
「トッタの泉」で下山中の中高年4人組(女性3名)に追いつく。昨夜はヌカビラ岳付近の笹原にテント泊したとのこと。彼等も天候の悪化で下山を余儀なくされたようだ。ところが尾根から沢に降りるところで、40〜50人の団体ツアーが登ってきた。この悪天候に強行登山する理由は何なのだろうか?トムラウシ山遭難事故の教訓をどのように受け止めているのだろうか?
雨で濡れて滑りやすくなった沢石を慎重に伝い下りて、10時15分取水ダムに着いた。ダムの広場には10数台の車が駐車されていたのは不可解だった。林道入り口にはゲートがあり、一般車両は通行禁止になっているからだ。林道には何箇所も小規模の崖崩れが見られたし、日高北部森林管理署はもちろんゲートの鍵は貸し出さないはずだ。
ツアー会社が独自に入手したとしか考えられないのだか?11時、やっと二岐沢出合の駐車場に着いた。ずぶ濡れの衣服をすべて着替え、ゲートの鍵を返却し、「はくあの湯」で汗を流して帰札した。
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北戸蔦別岳より、戸蔦別岳(左)と幌尻岳(右) |
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