2008年は1839m峰、ペテガリ岳と自分としては大きな登山を行ったが、2009年夏は天候不順で雨の日が多く、日高にはご無沙汰していた。2010年の今夏も昨年同様パッと晴れた日が少ない。それでも何とか天気予報と相談して今回の山行を計画した。
ピパイロ岳?1967m峰?北戸蔦別岳?戸蔦別岳?幌尻岳を結ぶこの縦走路は、雄大な北日高の山並みを一望できる比較的快適な「1級国道」と言われている。
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北戸蔦別岳と虫の乱舞(7/16) |
16日(金) 4時半札幌発。日高北部森林管理署で入林許可書と林道ゲートの鍵を受け取り、チロロ林道に向かう。
慎重に走って二岐沢出合に着いたが、一台の車もない。この先はゲートがあり車は通行できない。天気は晴れそうである。約24kgの荷物を背負って取水ダムまで3kmの林道歩きに50分ほどかかった。
二岐沢から二の沢へと入り、踏み後を見つけ、渡渉を繰り返しながら進むと、次第にコースは細く急になり、右手に2つの小滝が現れると、やがて尾根への取り付きになる。雨後の滑りやすい急坂を喘ぎながら登ると途中に熊の落し物があった。
やがて「トッタの泉」の湧水箇所に辿りつく。ここで水5?ほど補充した。一段と重くなったザックに喘ぎながらの苦しい登山が続く。ヌカビラ岳手前の岩峰が見えた時には、何とか登れそうな見通しがたちほっとした。
ヌカビラ岳を越えて北戸蔦別岳へ向かう稜線上にはまだ雪渓が残り、お花畑にはツガザクラやチングルマなど色とりどりの花が咲き乱れていた。熊の掘り返しも至るところに見られたが、古いものなので恐怖感はない。この頃から、両太腿の内側が攣りだし激しく痛み出した。休憩をとりながら、牛歩の歩みで何とか乗り切り、15時過ぎ北戸蔦別岳山頂に辿りついた。
誰もいない山頂には羽蟻のような虫の大乱舞が繰広げられていた。午後から発生したガスで北日高の展望はなく、虫のダンスが治まるまで腰を下ろして呆然としていた。
少し治まったところでテントを張り、ビ−ルで乾杯した。服についたダニを払わずにテントに入ったものだから、ひどい目にあった。
数匹のダニを見つけて潰したが、まだいたようだ。翌朝、右腕の脇の下に食い込んだダニは、帰宅して救急病院で処置してもらうまで2日間行動を共にした。
それにしても処置費が4500円も掛かり、改めて医療費の高さに驚いた。
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